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扉やパネルをしっかりと閉鎖し、航空機内の安全をまもる冗長化技術

扉やパネルをしっかりと閉鎖し、航空機内の安全をまもる冗長化技術

デュアルポイント(2点)ラッチシステムは、航空機キャビンにおける様々な設計課題に対応可能な標準化されたソリューションで、作動、取付方法の変更など自由で柔軟な設計が可能な信頼性の高いシステムです。

軽量化が最重要課題である新しい航空機の設計においては、キャビン内における収納スペースのパネルやドアの設計についても、不必要な重量を増
やさずに乗員と整備作業員に高いアクセス性と使いやすさを提供する機構が求められています。整備点検用メンテナンスパネル、化粧室、ギャレー(機内厨房)、頭上/天井の収納や備品庫などが主な適用箇所です。

また新しい内装設備の設計は、安全要件を満たすものである必要があります。汎用性の高いコア・ラッチ機構は、機内ドアやパネルのアクセス性を大幅に向上し、ドアやパネルのズレや外れを防ぐことで緊急時に避難経路の障害となることを防止します。

デュアルポイントラッチングソリューションは、フライト中に起こりうるラッチ嵌合不良や、振動や乱気流を原因とする不意のドアの開放などの問題を防ぎます。

 

デュアルポイントラッチによる安全性

デュアルポイントラッチシステムは、航空機客室内のさまざまな設計上の課題に対応する標準的なソリューションで、作動、取付方法の変更など、自由で柔軟な設計が可能な信頼性の高いシステムです。この標準化されたラッチ機構をさまざまな部分に導入することで、航空機の地上走行時や離着陸時にドアの閉鎖を確実に保持することができます。


このカプラーシステムは連動する2点で固定するロッドラッチ機構で、2つのラッチ部が同時に動くことでラッチ不良のリスクを防ぎます。本製品はドアやパネルの長さ方向のあらゆる位置に設置することができ、作動方式もプッシュボタン、サイドプル、リフトパドル、電子式、隠しツール式など、さまざまな方式に対応する柔軟性を備えています。


サウスコのデュアルポイントカプラーシステムは、軽量な熱可塑性プラスチック製で、二つのカム(突出部)とカプラー装置で構成されている堅強なソリューションです。複数パネルの間に簡単に設置できるカートリッジ型で、すっきりした外観を実現します。移動距離(ストローク)は17mmで、ドア部分と周囲の計器盤との間にすき間がある場合にも対応することができます。さらには、ラッチポイントはパネルの形状やサイズに関わらず柔軟に設計することができます。

サウスコのデュアルポイントカプラーは、連動する2点で固定するロッドラッチ機構で、ドア・パネルの長さ方向のあらゆる位置に設置することができます。.

 

このような特徴から、非常にすっきりした設計で安定した作動操作および開閉が可能になります。ラッチ機構は、2つのカムが完全に突出した後に作動し固定するため、フライト中に起こりうるラッチ嵌合不良や、振動や乱気流を原因とする不意のドアの開放などの問題を防ぎます。

デュアルポイントカプラーシステムの特徴と利点

サウスコのデュアルポイントカプラーシステムは、2つの連動式カム(突出部)を設けたラッチング装置で、2つのラッチ部が同時に動くことで、ラッチ不良リスクを防ぎます。

  • さまざまな作動方式での適合性を検証済であるため、本システムをベースとする柔軟な設計が可能。また、設計や検証にかかる時間短縮にも寄与します。
  • 本体ユニットは、ドアやパネルの長さ方向のあらゆる位置に設置可能。
  • さまざまな作動方式に対応します。
  • パネルの間に簡単に設置可能で、すっきりとした外観を実現します。
  • 冗長ラッチポイントに関する航空業界の標準に対応しています。

デュアルポイントラッチによる安全性

航空機の内装設備を設計する際には、機能性のニーズに加え、アメリカ連邦航空局(FAA)の安全性要件を満たす必要があります。航空業界の指針に適合するため、部品選定においては冗長ラッチングなどの最も厳しい要件を満たし、かつ優れた性能を持つ製品を選ぶことが必要です。


航空機の内装設計における重要な要件の一つに、乗客乗員の通路への障害物を排除することがあります。これは、緊急事態発生時に速やかに機外に避難を行うためです。冗長ラッチングシステムが組み込まれたドアやパネルは、煙、火災、または衝撃による損傷でラッチの一部が故障した場合でもドアやパネルの閉鎖状態を確実に保つため、避難路を確保することができます。


緊急時にラッチング装置の不良が発生した場合、航空会社は安全要件を遵守していないとして罰金を科せられる可能性があります。デュアルポイントラッチ機構は、仮に1つのアクセスポイントに問題が発生しても、ドアやパネルの閉鎖状態を保つため通路を妨げません。サウスコのデュアルポ
イントカプラーシステムを適切な作動アクチュエータと併用することで、冗長ラッチポイントおよび冗長アクチュエーションに関する航空業界の標準を満たすことができます。

まとめ

航空産業では軽量化が最重要トレンドであり、内装設計も例外ではありません。設計においては軽量材料の使用に伴う新たな課題を解決しながら設計を調整していく必要があります。客室内装設備の設計を行う際には、設備の機能的ニーズを満たすだけではなく、航空業界の安全基準をクリアするソリューションを用いなければなりません。軽量なデュアルポイントラッチング装置をアクセスパネル、化粧室、収納やギャレーなどの航空機内装設備に取り入れることで、整備作業員や乗務員に対する使い勝手の良さ、安全性、信頼性を大きく向上することができます。

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