顧客事例 EvoBus - バスの旅をより快適にする座席ヘッドレスト [トルクヒンジ]
ドイツを代表するバス製造企業でDaimler AG(ダイムラー社)の完全子会社であるエボバス社は、プレミアムシート座席の差別化を目指すにあたり、乗客が好みの位置に調整でき、かつ乗車中その位置をしっかりと保持できるヘッドレストを実現するソリューションを探していました。座席の快適性を大きく向上する解決策を検討する中、エボバス社はサウスコが提案したSTトルクカートリッジ埋込ヒンジを用いたソリューションの採用に至りました。この革新的な解決策とは、プラスチック製の射出成形ヘッドレストに埋込式のコンスタント(定)トルクヒンジを用いるものでした。
課題
既存のヘッドレストは、位置調整機能が十分でないことから可用期間にばらつきが生じていました。旧型の垂直方向摩擦機構は経年に従いヘッドレストの信頼性と機能性を損なうものであったため、ある程度の使用期間を経たものは位置を保持できず乗客の頭部を支える機能を失っていました。
解決策
サウスコが提案したヘッドレストは、位置決め技術を搭載した標準品のヒンジを用いるものでした。このヒンジは小型ボディに高い信頼性と柔軟性を持つコンスタント(定)トルクを組み込んだもので、エボバス社製の射出成形ヘッドレストアセンブリにシームレスに導入することができます。
非対称トルクであることから、動作方向ごとに異なる操作力を設定することができるため、乗客が使用するヘッドレスト両端のウィング部を前方に動かす動作に対しては少ない力を設定することができます。また、位置調整後は頭部の全体重をしっかり支えます。加えて、ヒンジは埋込型で成形部材の中に取り付けられるため、外観の点でもシートの意匠性を損ないません。ドリフトやバックラッシュ(反動)を起こすことなく可動域内のあらゆる位置で一定の抵抗を発揮するコンスタント(定)トルク機構をシンプルに搭載したこのヒンジは、使用期間のメンテナンスが一切不要であることも大きな特徴です。
結果
世界中に設計製造およびエンジニアリング 拠点を持つサウスコは、エボバス社の設計拠点であるドイツでのサポートに加え、製造拠点であるインドにおいてもダイムラーグループおよび同社の協力会社と密接に連携することで、サプライチェーンに対しても包括的なサポートを提供しました。エボバス社コンピタンスセンター座席担当リーダーマーティン・ガウブ氏 「設計に関わるあらゆる拠点でサポート体制を持つサウスコと連携することは、大きな安心でした。プロジェクトの初めから最後まであらゆる場面で必要なサポートを受けることができました。」
サウスコは、顧客との密接な連携を通じて、バスやコーチバス乗客の快適性を最大化するエボバス社独自のヘッドレストの開発設計に大きく寄与することができました。さらに、製品寿命にわたりメンテナンスや再調整を不要にしたヒンジ製造に関するサウスコ独自のアプローチは、顧客の定期点検整備にかかる時間とコストを削減できる点で大きなメリットを可能にしました。
技術、製造から流通に至るまで、グローバルネットワークを通じたトップクラスの顧客サポート体制と、実績の技術力で業界をリードする摩擦ヒンジ技術を兼ね備えたサウスコのトータルソリューションは、座席の快適性を向上することでバスやコーチバスを次のレベルに高める、より良い搭乗体験の実現に寄与しました。
製品について詳しくは、ヒンジ/位置制御 をご覧ください