Enhancing Ergonomics in Medical Equipment Design
医療機器は、診断やイメージング機器から医療用カート、ディスプレイ、電子カルテ端末に至るまで、あらゆる医療活動で利用されています。タッチスクリーンやワイヤレス機能など、医療の現場に新
たなテクノロジーが導入されることで、医療機器にはさらなる可搬性がもたらされます。これらは、医療従事者にとっては使い勝手を、患者にとっては診療体験をより一層向上させることにつながります。
ヘルスケア産業においては、医療機器の可搬性が新たなデザイン課題となっています。このため機械や端末には機能性だけでなく、可搬性に優れたデザインが求められています。医療従事者や医師が携わる日々の作業を改善するには、医療機器が簡単で快適に操作できるよう設計されることが重要です。
医療機器の設計に効果的かつ効率的に人間工学を採り入れるためには機能性だけに目を向けるのではなく、快適で使いやすい機器を実現できるコンポーネントを選択する必要があります。ヒンジやマウントアーム、コントロールアームといったポジショニング(位置決め)ソリューションの統合は、使いやすさに加え、優れたバランス、コントロールおよび信頼性を医療機器オペレーターに提供することができます。
位置決めアームとマウントの利用でユーザビリティを向上
タッチスクリーンとイメージングテクノロジーの急増によって、医療機器におけるディスプレイ取り付けの要件は一変しました。今日、多くの医療施設では、内視鏡検査機などの医療機器をモバイルカートに搭載して利用しています。これにより部屋から部屋への移動が容易になりました。こうした用途においては、マウントとアームを統合することで、人間工学に基づいた位置決め機能を利用者に提供できます。
ポジショニングテクノロジーは、医療従事者や医師に対して優れたユーザビリティと快適な人間工学体験を提供します。
この新たな取り組みに応えて、多くのエンジニアが人間工学・ヒューマンファクター・エンジニアリング(HFE)に注目し、より人間工学的な医療機器の開発を進めています。HFEのガイドラインは、医療機器デザインにおける次のような検討事項の対処法として利用できます。
- サイズと操作性
- 使いやすい可能調節
範囲を持つこと - 可搬重量
- 用途制限
- 感染性汚染からの保護を目的とした洗浄の容易性
幅広い可動域を提供するサウスコのコンスタントトルク・ポジショニングテクノロジーは、ディスプレイマウント用途において機能性と使いやすさを向上するだけでなく、人間工学的な性能を高めると共に設定や操作に関わる作業時間を短縮します。
サウスコのディスプレイマウント・ソリューションは、医療機器デザインに対して次のような利点を提供します。
- ディスプレイを固定し、再位置決めの際も簡単に操作が可能
- 操作中や移動中に生じる振動やガタツキに対応し、ゼロドリフトを実現
- 様々な角度や方向に動かすことができ、必要に応じて引き寄せや押し戻しが容易
- 信頼性および再現性に優れ、メンテナンスや調節が不要
柔軟な位置決め制御が可能なヒンジテクノロジー
またポジショニングテクノロジーは、摩擦力を利用したコンスタントトルクヒンジなどの形で様々な医療機器に組み込まれています。トルクヒンジは、壁掛け型の電子カルテ端末や医療用キャビネット、重い蓋の付いた診断機器など、ドアやパネルの容易な開閉が求められる用途に最適です。
サウスコのヒンジテクノロジーは、人間工学を採り入れた多種多様なオプションを備えており、医療機器デザインのニーズに適合します。
サウスコでは、外部装着タイプや内蔵タイプ、再位置決めや可動制御が必要な用途に向けた完全統合デザインタイプのポジショニングヒンジを標準ソリューションとして取り揃えています。(左、右:ST一定トルク埋め込みヒンジ)
サウスコのヒンジテクノロジーは、人間工学を採り入れた多種多様なオプションを備えており、医療機器デザインのニーズに適合します。
- コンスタントトルクヒンジは全ての可動域に抵抗力を付与することで、壁掛け型の電子カルテ端末のパネルを開放状態に維持すると共に、キーボード用のパームレスト
をユーザーが簡単に調節可能。 - カウンターバランスヒンジの利用によって、重いトレイや
蓋など重量物の折り畳みが容易。カウンターバランスヒンジを用いることで、重量物を最小の力で持ち上げることができ、背中や肩にかかる負荷を軽減。 - ディテント(戻り止め)ヒンジは、完全に開いた状態や完
全に閉じた状態など所定位置で確実に保持。パネルを開放状態に維持できるため、医療従事者の作業性を向上。